お墓のコラム
7.172018
知っておきたいお墓のこと
墓地取得の心得
私たちはよく、墓地を「買う」といいますが、これは、1区画を「買い取る」のではなく、「永代使用権」を取得し、その権利が子や孫に継承されていくということです。 わかりやすくいうと、墓地を「お寺から借りる」ということです。
墓地の種類
墓地の種類は、①お寺の墓地、②公営の墓地、③私営の墓地の三つがあり、お寺の墓地にもさらに、境内にある寺院墓地と、お寺と離れた所に造園された公園墓地の二つがあります。
寺院墓地
本来、寺院墓地は、寺と檀家との関係が密なために、その使用権は檀家でなければ得ることが出来ませんでした。しかし、公園墓地になると、檀家だけという枠が取りはらわれ、宗旨・宗派の決まりがなく使用できるようになってきました。その意味では、私営の霊園墓地と差は無くなってきました。
公営墓地
各都道府県、市や町などの地方自治体が管理・運営する墓地で、民営では数百万といった多額のお金がかかるのに対して、都営の墓地などでは永代使用権が十分の一ぐらいですみます。
ただし、公園の墓地は誰でも使用できるというものではなく、指定地域内で、都営であれば東京都に一年以上住んでいる人、埋葬するための遺骨と火葬証明書の必要条項があるので、前もって墓地だけ手に入れることが出来ません。
その他にもいろいろ決まりがあるので、各都道府県、市町村の霊園課、墓地管理事務所に問い合わせる必要があります。
民営墓地
墓地不足の影響の為、民営の大規模な墓地が次々と造られています。民営墓地の特徴は、宗旨・宗派の制約がほとんどなく、設備や運営管理も行き届いています。その反面、入手はしやすいが値段は高く、交通の便が悪いです。
しかし、これらの霊園は、春秋の彼岸などの時、家族揃ってドライブ気分でお参りに行けるという声も聞かれ、民営墓地は、財団法人が経営する大規模な霊園の他に、石材業・不動産会社・電鉄会社などの民間の会社も運営している所もあります。管理状況が良いか悪いかを確認した後にお求め下さい。
墓地移転の有無
墓地を選ぶにあたって、墓地によっては都市計画法で、移転や立ち退きをさせられることもあります。 これは、地方自治体の環境造成の規則条件を満たしているかが重要なポイントになります。 資料などであらかじめ調べましょう。
墓地周辺の環境
命日やお彼岸にお参りする人たちが、進んで行けるような明るい雰囲気の墓地が良いでしょう。 【日当たりはいいか】、【風通しはあるか】、【清潔感はあるか】、などを十分注意して見ておかないと後々大変です。苔などが発生しやすくなります。 将来墓地周辺に、工場が建つかなども調べておきましょう。
墓石建立の時期
墓石は、いつまでに建立しなければないといった決まりはありません。一般的に、「四十九日」、「百か日」、「彼岸」、「お盆」、「命日」、「一周忌」それらの法要に合わせて建てられることが多いです。
事情があって建てることが出来ない場合は、お寺の納骨堂に預かって頂いて「三回忌」、「七回忌」前の盆・彼岸に建てる方もおります 。
開眼供養
開眼供養は、魂入れと言われています。これは、新しい墓石が完成した時に僧侶に頼んで拝んでいただき、お墓としての機能を持たせる儀式です。
彼岸やお盆、故人の命日などに合わせて行う事が多いようです。また、参列者の都合に合わせてもかまいません。法要の仕方は、お墓のある場所によって違うので、石材店やお寺の住職に前もって相談に行って下さい。そのときに何が必要なのかも聞いて置くといいでしょう。
僧侶へのお礼は、『お布施』『開眼供養料』として包みますが、金額についてはお寺さんに率直に聞いて下さい。 法要に招かれた人は、『御仏前』『御供料』として一万円くらい包むのが一般的です。
お墓の種類
本来日本のお墓は、神仏が出たらそのつど墓石を建てていましたが、近年の住宅事情と同じで、広い墓地取れなくなってきているので、墓石を一基建てて『○○家の墓』や『○○家代々の墓』と正面の竿石に彫って納骨室に一緒に埋葬するようになりました。法名碑や墓石の裏側に故人の仏名・俗名・死亡した年月日などを列記します。
夫婦墓と言われるお墓もあり、夫婦で一基のお墓に入り二人の戒名を先に貰っておくこともできます。先にもらってお墓に彫刻をする際は、生きている人の戒名に朱墨を塗っておきます。亡くなった時にそれを消して納骨をします。現在では、必ずしも生前から二人の名前を彫りいれるこだわりはなくなったようです。
和型墓石
スタンダードの形で、「角石塔型」とも言われています。 種類としては,頭頂部が直角にきってある『一文字型』、頭頂部が丸い山形に切ってある『丸兜巾型』、側面から頭頂部までを丸い山形に切ってある『丸兜型』、頭頂部が三角になっている『角兜巾型』、一文字型と同じですが、角を丸くしてある『隅丸型』の五種類があります 。
洋型墓石
近年特に広まっているのが洋型墓石です。公園墓地や霊園墓地寺墓地などでもふえています。特徴としては,横幅が高さよりも長く、様々な石色があり、形も様々です。
変わったものでは、ステンレス製のものなどもあります。 昔から『霊は石に宿る』と言われています。あまりお墓には適しているとはいえませんが、一番大切なことは、ご先祖様をうやまう気持ちが大切なことなので、それがいけないとはいえません。
改葬する時
現在お墓を管理してくれている、お寺や霊園に手続きを申し込み、新しく移すお寺の承諾も必要です。 その際には、宗派が違うと改葬を受け付けてくれないお寺もあります。事前に調べておいてください。
お墓を移動する際には、今まで管理していた管理者の『埋葬証明』、新しい墓地の『受け入れ証明』などの証明書が必要です。 それから市役所などに提出して埋葬許可証をもらう手続きが必要です。
弔問・会葬の作法
服装
とり急ぎ通夜の弔問に駆けつける時には、平服のままで構いません。先方も用意が整っていない場合が多く、礼装で訪れてしまうと不幸を予期していたようで、かえって失礼になります。
駆けつける際には、なるべく地味な服装で、男性の場合はできればネクタイと靴下を黒に換えてもいいでしょう。
服装(葬儀・告別式)
葬儀・告別式に参列の時の、一般の会葬者の服装は通常礼服です。しかし、特に親しい間柄でない場合には黒めの平服でもいいようです。男性は、黒のスーツと黒のネクタイ、黒の靴。女性は、黒もしくは地味な色のスーツか、ワンピースに黒の靴が望ましい格好です。黒であっても男性、女性を問わず、光沢のあるものは避けたほうがいいようです。
通夜
通夜とは、その文字の通り夜通しご遺体と共に過ごす事をいいますが、現在は、夜通し柩を守るのは近親者に限られているようです。通夜は正式な儀式ではなく、身近な親しい人の集まりなので厳密なしきたりといったものはないようですが、通常、席順は血縁の近い人から祭壇のそばの席に着きます。
通夜の振る舞いなどを喪主からすすめられた場合には、一口でも箸をつけるのが礼儀ですが、喪主の家族は看病疲れや、葬儀の準備などで忙しいはずですから、なるべく早めに切り上げるように心がけましょう。